玉生洋一

アルマゲドンの玉生洋一のネタバレレビュー・内容・結末

アルマゲドン(1998年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

昨年は遅ればせながら
「ディープ・インパクト」を見たので
こちらも遅ればせながら。

「ディープ・インパクト」では、隕石の発見時や
その後の公表にまつわるドラマもえがかれていたが
「アルマゲドン」ではそれらはほぼなく、
「イカした奴らが地球を救うために旅立つ」という
冒険譚にのみ集中した感じの作りになっている。

父、娘、娘の彼氏(AJ)の三者のドラマが軸となっており
クジで小惑星に残ることになったAJと無理やり交代して父が犠牲となる展開等、予想通りの展開ではあるものの、感涙できる作りになっている。

前半は
「平時ならば宇宙に行くなんてとんでもない人たちが宇宙に行くことになる面白さ」で引っ張るが
後半は
「小惑星をひたすら掘るだけのドラマ」
になるのが少々もったいない。
小惑星の地質のおもしろトピックや、
掘削のプロならではのおもしろネタを取り入れた
「小惑星」「地質」「掘削」という組み合わせならではの
展開にできなかったものかと思う。

部下たちの「掘削のプロ」ならではの各々の技術が
すべてあますところなく紹介されるような展開にできたら
一番良かったのでは。

小惑星に着いてから
「大統領命令で地表で爆破することになった」
等々でピストルをつきつけたりしつつの揉め事になるが
実際のミッションだとすれば
「こうなったら地表で爆破する」
「遠隔爆破できないときは誰々が残って爆破する」
等、すべてシミュレートして複数人で合意するのだろうなぁと思った。


隕石落下等の大迫力シーンが満載だが
イマイチ位置関係がわかりにくいし
大味すぎて素直に驚けないのが残念。
そもそも作品冒頭から隕石がこれでもかと降ってくるが
心の準備ができていないのでどうしても軽く感じてしまう。
「ずっと姿が見えないままで恐怖心だけあおり、クライマックスで姿を表して大迫力」……といったジョーズのような構成のほうが個人的には好み。
小惑星の接近でいえば、地球にぶつかる小惑星が見つかったという
恐怖だけでずっと持たせて、
実際の大惨事シーンが見られるのは映画の後半のほうが
いいと思うのだ。

世界各地の様子も細かく挿入されるし、
とにかくお金がかかっている贅沢な作品だということがよく分かる。
画面に映った地方のひとつひとつで
金のない映画監督のショートフィルムが1本ずつ撮影できるだろうなぁと思った。

総合的に見て「ディープ・インパクト」のほうが好み
と感じたが、
「ディープ・インパクト」のほうが点数が低くつけてある不思議(あちらは3.6点)。
「一貫性」と「まとまり」が点数に反映されたということなのだろう。

※BSpにて視聴。