真田ピロシキ

劇場版 仮面ライダー龍騎 EPISODE FINALの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

3.5
戦わなければ生き残れない!特撮に縁のない人生を送っていたのですが、たまたま早起きした日にテレビをつけたらたまたまやってたこれを見てそれが結構面白そうで見続けていて、でも次の555はそれほどでもなくそのまんまライダーからフェードアウトした私に取っては龍騎こそがライダースタンダードです。うるさいライダーオタの意見なんか知らん。

この劇場版は当時映画館まで見に行ってお子様の中に放り込まれるのはかなり恥ずかしかったのですがハリケンジャーも含めて見ましたよ。ハリケンジャー面白かったよ。シュシュっと参上。本作は黒田アーサーが出ていたTVスペシャルと同じ龍騎のアナザーエンディングで、確か夏の上映だったので結末を描くには性急すぎるはずなのですが、TVのエンディングを思うと辻褄が合っててなかなか子供向け番組とは思えない上手いお話。最終回まで出てたライダーが本作でも最終生存組として出ており、特に主人公より人気のあった悪のライダー王蛇=浅倉はガンガン戦ってくれるので、神崎士郎もちびっ子達も大いに喜ばせる。退場のさせ方も直接力負けしたようには描かれてなくて、TV版では宿敵スーパー弁護士北岡に決着をスルーされてブチ切れてるところを警官に撃ち殺されたのと同じく格を保たせてて製作スタッフに愛されてた事が伺える。死亡ではなく離脱するゾルダ=スーパー弁護士北岡も可能性としては分かる描き方で、龍騎のキャラクターは本当に良い。TVではとんでもないサイコパスや最後に出てきたのにすっげー小者で可哀想な死に方する奴がいたり目が離せなかった。

さて、そんな個性派揃いのばかりの龍騎ワールドに置いてFINALと銘打たれた映画版の最後に登場するキャラクターは?何と主人公のコンパチ!言わば殺意の波動に目覚めたリュウです。TV版では13人全員出ておらず劇場版とTVスペシャルのライダー含めてのカウントなので、一人がこれなのは予算の都合なのかもしれないが残念すぎる。しかもこれには最強のオーディン出ねーし。映画作り始めた頃はまだ設定なかったのかな。その代わりもう一人本作オリジナルのライダーがいて、その仮面ライダーファムはシリーズ初らしい女性ライダー。このファム、少し見ればわかるのだけれどハッキリ言って弱い。雑魚モンスターは倒せても、よりによって最強クラスの王蛇に恨みを抱いているために立ち向かっていくが全く相手にならないので非力さが際立つ。王蛇はおろか、最初の敵ライダーだった蟹にも勝てなさそうである。実力不足で龍騎やゾルダに守られる姿が目立ち、守りだけは王蛇相手にもそこそこ通用していたのも凝り固まったジェンダーロールを思わせてあまり良い演出に思えない。しかし、最近の仮面ライダーでは普通に女性ライダーが活躍してると聞くので、その先駆者であるファムの功績は劇中の活躍よりも遥かに大きな意味を持つのでしょう。そう考えると龍騎ってやっぱ偉いんじゃない?

久しぶりに龍騎を見るとやはり浅倉に釘付けで、萩野崇は若い頃の浅野忠信になれそうなギラギラした雰囲気を感じたけれどもその後はそうでもなくてこの役だけだったのかな。ナイトの松田悟志は時々見る人であるが、真司君と並ぶとずっと背が高い。少し見た龍馬伝で土方歳三を演じていてそれが決まってた記憶があり、この人が龍騎ライダーで一番華のある役者かなと思う。龍騎の後に遡ってクウガとアギトを見たがこの映画の時は見てなかったので、アギトのメインキャストだった要潤らのゲスト出演を見て驚いた。要潤が人気出るのってこの後に昼ドラ出てだったっけ?この頃からライダー俳優は強かったねえ。最初の平成ライダーが最強のオダギリジョーですし。それに比べると龍騎はライダー以外の脇役俳優には実力派が多かったけど、バカ売れしたライダー俳優はいない印象。