このレビューはネタバレを含みます
昔観て久々にまた観た。
石化が涙で解けるシーン、なんか昔そういう作品いっぱいあって(はいはいまたそのパターンね)って思った記憶があるけど、あんなに序盤に涙の伏線張られてたんだね。
アバンで20分使って主人公も登場しないし謎の哲学的なことしか言わないってすごいね。よくそんな構成にしようと思ったわ。
ミュウツー、生まれたばかりにしては現代の一般的な倫理観を持ち合わせてるし(サカキにこのままだとお前地球破壊しちゃうよ?って言われて素直に拘束具つけたり)、知識もあるようなのになぜあそこまでアイデンティティに固執するのだろう?(そんなこと言ったら話進まないけれども…)
人間でいう青年期における自己同一性の確立の過程なの?そう考えると盛大な反抗期なのか?
そしてかの有名な台詞ね。『誰が生めと頼んだ、誰が造ってくれと願った。私は私を生んだ全てを恨む。だからこれは攻撃でもなく宣戦布告でもなく、私を生み出したお前達への逆襲だ』ってメタ的に観ているこっちにも言ってくるんですよね。
だからその時点でこっちだって(そりゃ違うだろ)と考える余地ができる。うまいね。
序盤、アイツーは本物じゃなくてもここにいるだけで素敵なことって言ってて、結局それがラストにもつながるんですよね。
生きる意味なんて「生まれたから」で充分だと説いてくれるのはありが たいですね。
“ただそこに在る”って考え方は今の2020年の社会でこそ大事だと思いますね。「○○なんて認めない!」って叫ぶ不寛容な人がいても、お前が認める認めない以前にその人はそこに存在しているんだよっていうやつね。
ミュウは神の視点よね。煽るだけ煽っといて高みの見物、気まぐれで助けてはくれない。脚本家さんのコメントとか読んでると、ミュウは最初は喋る予定で、ミュウツーを刺す言葉を選んでもっとキツく煽ってくるキャラだったらしくてこいつ…となっている。
ニャースのキャラは良いなぁ。
人より達観してるな。