cyph

驟雨のcyphのレビュー・感想・評価

驟雨(1956年製作の映画)
3.7
成瀬の原節子は毎回陰キャなんですか?顔立ちは綺麗なのに落ち込みやすくて嫌味っぽくて内弁慶なメランコリック妻と、のれんに腕押しってこのひとのための言葉?てくらいちょうど配偶者にいてほしくないレベル感でモラハラ気質の夫との会話はずっとちゃんと聞いてて苛々する 苛立ちを語気に込めるまでもなく常に相手に苛立ってる夫婦 夫の友人衆は明るく妻を持て囃して無邪気な笑顔を即座に獲得するのに夫の関心事はいかにこの妻の驕りをへし折るかどうかだけ 他者の介入により妻と夫の下方へ向くばかりの螺旋の一端が垣間見える

バラック同然の家に閉じ込められて買い出しと炊事ばかりの日々、子はなく愛情の矛先は餌付けしてる野良犬だけ、と『めし』と設定はほぼ同じだけどお隣さんとのスワッピング未遂や地獄のご近所集会など変な紆余曲折があってある種おもしろいしある種とっ散らかってる 紙風船で終ってなるの別にいいけどわたしは不完全燃焼だった
cyph

cyph