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七人の侍のSEIBOのレビュー・感想・評価

七人の侍(1954年製作の映画)
5.0
記憶に刻まれた映画・6
『七人の侍』(1957)黒澤明・監督

漢(男)たちが本当に美しい。そして何故だかこの映画、お尻が印象的だw。志乃が最初に出てくる髪を洗ってる後姿は腰を曲げてお尻アップのシーンから始まる、それから菊千代のお尻丸出し武者鎧姿の官能的な躍動感などが記憶に残る(特にラストの合戦シーン)。

日本映画の黄金期は70年前の1950年代でそこに名作は集中していると言われている。その70年前にこの映画で世界お初となる演出が多々ある。今で言うアベンジャーズ的な七人の仲間集めに始まり、断末魔と共にスローモーションで敵が倒れる、知らぬ間に味方が死ぬ衝撃、そして最も有名なのは合戦シーンの8台のカメラで同時にマルチカム方式撮影し編集するなどなど。この後の映画に多大な影響を与えた本当に凄い作品だと思う。同監督の『生きる』『用心棒』と共に大好きな作品!

それと画家の視点から特筆すべきなのは衣装デザインに黒澤明の友人でもある日本画の巨匠・前田青邨が関わり、その弟子がデザイン画を描いていたというのは嬉しいかぎり!

ロシアの巨匠アンドレイ・タルコフキー監督に至っては自分の映画のクランクイン前に必ず黒澤明の『七人の侍』を観てから撮影に入ったそうだ。『アンドレイ・ルブリョフ』の合戦シーンの馬の撮影などに影響を見ることができる。

黒澤時代劇の晩年の傑作『乱』の極彩色大和絵巻合戦図の様な絵画的様式美と、白黒リアリズム的な『七人の侍』と比べて観るのはとても面白い!
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