らんらん

今日もまたかくてありなんのらんらんのレビュー・感想・評価

今日もまたかくてありなん(1959年製作の映画)
4.0
木下恵介監督作品、カラー
主演は久我美子、助演は中村勘三郎、高橋貞二ら

【あらすじ】
一夏の間夫(高橋貞二)と離れ子供(中村勘九郎)と共に実家の軽井沢で暮らす久我美子は
幼い娘の子守をして暮らす中村勘三郎と知り合い親しくなる

中村勘三郎は元軍人で多くの若い部下を死なせてしまい自分だけが生き残ってしまったことで心に傷を負い、戦後はほとんど隠遁生活のような暮らしで、代わりに奥さん(藤間紫)が水商売をして働いています
幼い娘の世話をし成長を見守ることだけを生きがいとしているおだやかな人物
だが既に夫婦関係は破綻していて、劇中中盤では生きがいだった娘が病気で死んでしまう、、、

一方、自然豊かでのどかな軽井沢において近頃チンピラが出没しちょいちょい悪さをしている
最近別荘にやって来た与太者の親分(三國連太郎)の一味らしい

三國連太郎は女関係のもつれで愛人杉田弘子が鬱陶しくなり、子分三井弘次に自動車事故を装わせて清算を図る
その自動車事故に巻き込まれるのが久我美子の弟(田村高廣)、幸い命は助かるが重症で入院

もう一人の弟(小坂一也)は美しい娘藤山陽子に片思いしてるが、何かとチンピラに絡まれる

そして中村勘三郎の妻(藤間紫)は三國連太郎の別荘で小間使いのような仕事をしているのだが、、、

といった伏線、経緯を描きつつ衝撃のラストに向かいます

【感想】
シネマヴェーラ渋谷の松竹映画特集にて鑑賞
作品紹介で
「思わぬクライマックスが訪れる日本版『グラン・トリノ』!?」
ってあって気になってました

グラントリノって何だっけ?と思ってたんだけどイーストウッドのやつか!
ほのぼの交流ドラマから殺伐とした殺し合いとなり、最後はしんみり
確かに流れは似てるかも、でも本作だと三國連太郎一派は殺されるほど悪人て感じじゃないのよね
あとはグラントリノの爺さんはいかにも殴り込み行きそうだけど中村勘三郎はそんな感じのない穏やか無気力なキャラ(裸の大将みたい)、まさか度ではこちらが上かと
それと木下恵介らしく自然がほんとに綺麗な映画

出演者メモ
高橋貞二はクレジットはトップ、そこそこ出番は多いけど別にいなくてもいいキャラ、ストーリーにはあまり絡まない
久我美子は生活に疲れてる主婦、中村勘三郎に対して何もしてやれないってボロボロ泣くシーンが印象的

何かと歌うシーンのある小坂一也は、、、ダサいw 中村勘三郎のいうように良さがわからない変てこりんな歌をうたうw
三國連太郎は出番少ない、クライマックスの殺し合いのシーンも遠目の撮影なので表情とか心情もわからず
佐野周二は専務役でワンシーンのみ出演、藤山陽子は浮いてるくらい綺麗
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