今日もまたかくてありなんの作品情報・感想・評価

今日もまたかくてありなん1959年製作の映画)

製作国:

上映時間:73分

ジャンル:

3.7

「今日もまたかくてありなん」に投稿された感想・評価

上手くいかない人生のなかに一瞬だけ共有できた時間と友情、平凡な田舎町に突然介入してくる暴力、生より死に近い男の落とし前、落とし前にはカタルシスもなく、なにかを失ってしまった人生がまた続く。なにかっつーと人前で歌わされる小坂一也のエピソードも切ない。
ちろる

ちろるの感想・評価

3.6
オープニングとエンディングの方で作品のカラーがガラッと変わってしまう珍しい作品。
なのに穏やかに流れる辻堂の映像をほぼ同じアングルで見せて、そこにより一層残酷さが漂う。

貧しい生活ゆえに辻堂の一軒家を上司に貸し出すことに決めた若い夫婦は夏の間それぞれが散り散りとなり生活することになる。

妻は実家のある軽井沢へ、夫は友人の家へ居候。
避暑地でもある軽井沢という地には似つかわしくない、チンピラたちの登場あたりからお話の色合いはガラッと変わり、なにやら穏やかではない展開に、、
時代ゆえの仕方ない心の咎を背負った元軍人と、戦争を通過しなかった怖いもの知らずの若者たちという構図。
と書くとまるで戦争賛美のようで具合が悪いが、痛みに対して鈍感な現代の私たちもこの若者たちの姿に反面教師として感じるものがあるのではないかと思う。

赤の他人の平穏な日々を守る為に、壮絶になかば捨て身で人が戦い血を流しても、無情に時は流れていくのはどの時代も同じ。そしていずれそのことへのありがたみも薄まってしまうののも必然だと思うと無性に虚しくなってしまう。
何だか終始勘三郎だけ違う舞台にいるみたいだし、勘三郎の価値判断に沿いまくるヤクザの悪さの構図も単純すぎるきらいもあるけど、久我美子を慰めるのに手を寄せて「生涯で一番柔らかい女の手だ」とか言ってかっちょよく離すとこなんかやり切っててヒーヒーする。藤間紫も藤間紫だった。73分にしては詰め込み気味だけど、時計やカレンダー&朝の日常描写でその夏のビフォーアフターを演出する佇まいがとてもよい。
てぃだ

てぃだの感想・評価

3.0
後半が思い切り日本版「グラン・トリノ」だった。小津ぽい家族映画だと思ってたら「男と女の友情」を超えた理解者という関係性を描いた映画だった。ヤクザ絡みの奇妙なサスペンスぽいとこは正直嫌いだった。久我美子が激昂する場面が最大の見せ場。「ささやかな幸せ」とかどんな綺麗な言葉で飾ったって本人の苦しみは本人にしか分からない。そして最大の心の理解者にして共犯者(?)を失った主人公は死ぬまであと何回あの夏を思い出すんだろうね。
Junko

Junkoの感想・評価

3.6
あるひと夏におきた、平穏とは?という
社会派映画であった。

戦争での負い目などを抱えながら生きる十七代目 中村勘三郎と
久我美子演じる主婦との交流。
そして、三國連太郎演じるやくざ。

終盤の静かな雨と対比する展開に任侠を感じた。
静かな生活を脅かす者は許さずという
強いメッセージがあった。
なろね

なろねの感想・評価

3.8
まったく予備知識無しに観た。
普通のホームドラマなんだと思ったら、サスペンス的展開。そして最後はちょっと任侠チック。
木下恵介監督作品だから観てみたが、ホームドラマかと思いきや、戦争で部下を突撃させて全員死なせた生き残りとなってしまった男の戦後ドラマでもあった。
カラー作品で、当時の風景が綺麗。

物語は、辻堂からバスで行くような郊外の一軒家に住む貧しい夫婦(妻は久我美子)と幼い子供が住んでいるが、お金の無い話ばかり描かれる。
成瀬監督作品かと思ってしまう(笑)

そんな折、夏の間、上司に自宅を貸して、妻子は軽井沢の実家に住み、夫は友人の家で住む展開になる。(夫の別居風景は見ることはできない。)

この映画で一番綺麗なのが、軽井沢のお嬢さん=紀子(藤美恵…デビュー作かも?)であり、この女優を見ることができただけでも収穫。

戦争生き残りオジサンとワル達のバトルなどあり、まずまずの映画だった。

<映倫No.11577>