Ditto

ウィズネイルと僕のDittoのレビュー・感想・評価

ウィズネイルと僕(1988年製作の映画)
4.0
安アパートに住むウィズネイルと僕。酒とヤクにまみれた生活から郊外の親戚の別荘へ。薪もない状態だが近所の人からニワトリをもらったり、ちょっとした嘘をついて食べ物にありつく生活。

60年代のイギリスが舞台で、イギリス英語の会話とほぼすべてのシーンで雨が降っている。そんな陰気くさい街で生きるのにはアイロニカルになるしかない。ユーモアもありくすっと笑えるシーンも多かった。

2人とも役者になるのが夢であるが、その日暮らしで何も考えていないように思える。事実何も考えておらず、お互いを本当に大事に思っているかさえ怪しく見えてくる。だがいざ2人の別れが来るときあまりに当たり前だった存在の不在は、思ったより大きい。

一方は明るい未来が見えてきており、もう一方は雨の中これまでと変わらない生活に一人戻っていく。
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