朝井リョウ原作小説の映画。桐島が部活を辞めたことによって巻き起こる、その周辺の群像劇。
以下ネタバレ。
「あれ？原作ってこんなだったっけ？」と思いながらの視聴だったけど（読んだのがはるか昔なのでもうおぼろげなせいもあるが）、これはこれで楽しめた。正直序盤はあんまり乗り切れなかったんだけど、それぞれの視点から同一の時間軸を描く群像劇だとわかってからはスムーズだった。これがリアリティのある青春描写なのか、という疑問は正直あるものの、ラストのあらゆる屈託がゾンビに食い殺されていくシーンはおおいにカタルシスがあったし、映画として大正解だと思う。
個人的になぜか白眉に感じられたのは、神木くんがカメラを向けられるシーン。これまでずっと傍観者だった彼が突然フォーカスされ、その内心を吐露するところは、なぜだかとてもどきりとさせられるものがあった。構えていない人間にカメラを向けるって、ある意味でとても暴力的な行為なんだなあ。
