すず

少年は残酷な弓を射るのすずのレビュー・感想・評価

少年は残酷な弓を射る(2011年製作の映画)
4.0
うわあ…タイトルそのまんま。
一言で言うなら「不協和音」
居心地の悪さを感じつつも、気が付いたら映画の世界にどっぷりハマってて自分でもびっくり。
淡々と薄気味悪く進んでいくストーリーにも関わらず、眠くなるどころか逆に目が覚めた!
「なぜ?」が解決しないもどかしさと、知りたくない気持ちで心の中はモヤモヤ。
まず、登場人物ほとんど悪魔。
幼い我が子に愛情を持てない母エヴァ。
それに気付いているのか、母を困らせる行動ばかり起こすケヴィン。
父に対しては素直なのに、母には冷たい視線を向けるばかり。
それは成長するにつれて過激になる。
ケヴィンは母の愛情を求めていたのか?
いや、私は違うと思う。
泣き止まないケヴィンに苛立ちを隠せない母。
大きくなっても問いかけに反応しないし、度を越したイタズラを繰り返す。
そんなケヴィンに対して、絶対に言ってはいけない言葉を言ってしまう。
ケヴィンはその言葉の意味を理解できたと思う。
その言葉がケヴィンの中で次第に大きくなって、悲しみより怒りの感情を抱いてしまったのではないかな。
母だけ残して残りの家族を殺したのも、まだ少年である15歳のうちに罪を犯したのも、全て母に復讐する為。
遺族の怒りを母一人に向ける為。
母に責任をなすりつける為。
妹の事故も全部、母に罪悪感を持たせる為のような気がしてならない。
ケヴィンのあの目は、愛情を求める少年のものではなかった(´•ω•`)
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