らんらん

夜の鼓のらんらんのレビュー・感想・評価

夜の鼓(1958年製作の映画)
4.0
参勤交代のためしばらくぶりに我が家に帰って来た夫(三国連太郎)、だが妻(有馬稲子)や周りの反応が何かおかしい
どうやら妻が不義をしたらしいとの噂が広まっており、それを確かめるべく本人に問いただしてみたり、親戚一同で話し合ってみたり、そして明らかになる真実、結末は、、、

さすが今井正って感じで、緊迫感のある時代劇、その都度回想を入れながら真実が明らかになるっていうミステリーサスペンス的な展開も良かった
そして作品紹介に書いてあった有馬稲子の艶かしさ!確かにただごとじゃなかった、潤んだ瞳も印象的
眉剃りやお歯黒姿ってのもリアリティあるし、それが見た目的にマイナスになっていない、逆に魅力的に見えちゃいます

ラストの三国連太郎の表情も印象的、たった一度の過ち、知らないままだったなら、周りに知られなければそのまま暮らせていたかもしれない
何でこんなことに?って感じで、言っちゃえば武家社会批判的な、でもそこを責めてみても仕方ない的な不条理さ

この作品での有馬さんトークショー知識
金子信雄に迫られ、拒否するも刀を突きつけられて「待って!」と言うシーン
監督のOKが出なくてこれを一週間繰り返したとか
似た話を若尾文子の赤線地帯で聞いたことある、その結末も何が違うのかわからないけどOKが出たって点も一緒
後は不義を責められ三国連太郎に殴られるシーンも何回も取り直して顔が腫れちゃったとか、なかなか苦労した作品らしいです
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