よねっきー

コーラスラインのよねっきーのレビュー・感想・評価

コーラスライン(1985年製作の映画)
4.4
オーディションという、陽の当たらないところにある群像劇。ダンスと自己開示についてのミュージカルだ。

自身のセックス遍歴について「人生で3回目のやつは本当サプライズでしたね」と歌い上げるナンバーを筆頭に、どういう気持ちで観れば良いのかわからないシーンが多々あるんだが、おれ自身はというと変なツボに入ってしまってヘラヘラと笑いながら観ていた。

音楽も衣装もなかなかにダサく、80年代ってやっぱどうかしちゃってたんだろうな……などと考えてたので細部があまり記憶に残ってないが、なんだかんだ良いこと言ってる映画な気もする。

ヒリヒリしたオープニングと、きらきらしたエンディングが圧巻。不合格者という名の脇役も同じ舞台に乗せてあげる語り手の優しさは、『ダージリン急行』のワンシーンを思い出したりした。ラストショット、遠目で見ても明らかにダンスがズレてる人が1人いるが、このショットをNGにしなかったのは決して妥協じゃなく、ちゃんと意味があると思う。だって、不合格者を舞台に乗せることに意味があるんだから。
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