13階段の織田のレビュー・感想・評価

黒幕を暗示しながらも登場人物と描きこむテーマを絞っていたから、南郷＆三上、警察、依頼者、被疑者を含めた謎の部分、刑務官と焦点が絞れていた。
あれで三上の家族にまで手を広げていたら散漫になっていたと思われる。

タンポポ、パン、特殊な光加工技術といった細かな伏線も丁寧に回収。

『奇跡のリンゴ』 や『藁の楯』ではたたずまいでこちらの背筋を伸ばすような、頑固とも言える貫禄がほとばしっている山崎努だが、本作では動いてもこちらの心を揺さぶってくれた。
名演技ここにあり、って感じ。