このレビューはネタバレを含みます
平野監督のドキュメント大合格
2012年4月18日 18時33分レビュー
スタジオカラー提供。プロデュース庵野秀明。カメラ、編集、出演、監督、平野勝之。
2011年劇場公開邦画作品で一番見たかった作品。
平野勝之、元(今も)大人のビデオ監督。
本作にインサートされる作品の核、「由美香」鑑賞済み。
次作「流れ物図鑑」は、東京に行った際見た。BOX東中野で殴られた。面白かった。劇場に平野さんチャリ飾ってあった。
その平野監督が長らく封印していた作品を紐解き作り出した。
なんとプロデュース、ただでさえ自作「エヴァンゲリオン」リメイクで忙しい最中の庵野秀明監督!
「由実香」を見て、当時「(旧)劇場版エヴァンゲリオン」製作中で煮詰まった庵野監督が救われ、涙した本作。その恩返しにと製作を買って出た。
劇場は、六本木公開?、うわぁいきテーとつぶやく。庵野監督の初実写「式日」同様に行きてぇーというボルテージマックス。
首をながーく待ちすぎて待った 東宝2枚組DVD特典ディスク有り、購入鑑賞しました。
うわぁ、こりゃー凄いです。久々なんか、あのーどう言ったらいいか、鑑賞後、それは、ちょうど原一男監督「ゆきゆきて神軍」を見終えた後のような
重たい、そして、あったかい爆弾をドキュメンタリーで見せつけ、魅せ、脅されたようでした。
声にゾワゾワしたというか、振るえがきましたねー、久々に。はい。それほど
このドキュメンタリーには
素晴らしい瞬間
がありまして
これは私原一男作品以来のメガトンボムを食らいました。
やっぱり凄い作品でした。
内容は、 ひらたくぶっちゃけると
平野監督のAV劇場公開ドキュメンタリー「由実香」プラスその後のドキュメンタリーという作品です。
監督と女優の恋、愛、旅ドキュメンタリーであるといえます。
あとは解説したくありません。
まあ見る人によっては、「だから、なにが言いたいの?」とか
こんなAVのドキュメント見せられても、ぐちゃぐちゃしてるのみせられても、よく知らないし、とか
ヤラセくさい?とかいろんな邪念さぞ、 浮かぶかとは思います。
私はやはりこの2人の関係性、作為的なカメラ的共犯恋愛映画に不思議と
愛を見て
醜を見て
追い詰めと
サドマゾと
肉体と運動と
景色と痴話痴情と
人を愛した
ゆみかさんを愛した平野さんの強烈なドキュメンタリーだと痛感しました。
「監督失格?」いやいやドキュメンタリーとして、最強に合格でしょ!と思いました。
かつてないむしゃぶるいと終わりの矢野さんの歌に今までの緊張がとけ、少し力がぬけたように癒され、救われました。
この作品は、そんじょそこらじゃ作れない
念、思いのつみ重ね、魂
が、はいってると私は思います。
ドキュメンタリー映画史上でも、小川伸介、原一男、につぐ、残る作品だと思います。
はいすんげーですから!最初、ニコニコ、中ぱっぱっ、だんだん締め付けられ、、、はい結末。襲われるんです、本ドキュメンタリーの力に、リアルなんてもんじゃない、、、ドキュメントですから。
作為と私意が入り、それがドキュメントですから。
素晴らしい平野さんの自我撮り愛憎悪爆弾
立派にやられました。
さて
監督、ゆみかの共犯ドキュメンタリー
監督失格
いやいや
平野監督のドキュメント大合格
ゆみかを愛したら監督失格になってしまったのか?
平野監督の生涯に一本しか撮れない渾身の作品です!
参りました!
追伸
本作気になった方は
松江監督の「アンニョンゆみか」もどうぞ!
追記
特典映像には、平野監督8ミリ映像あり。そこに映画友である園子温監督がいらっしゃいます。こちら「愛の街角2丁目3番地」レビュー予定。