来夢

神々と男たちの来夢のレビュー・感想・評価

神々と男たち(2010年製作の映画)
4.0
内戦中のアルジェリア。目の前に迫る死の恐怖から、逃げずに奉仕活動を続けるべきか、 それともフランスに逃げるのかを迫られるフランス人の修道士たち。タイムリミットもわからない緊迫感と、命を懸けたディベート。『12人の怒れる男』ほどに各キャラが個性的なわけではないし、謎解き要素があるわけでもないから、ディベートバトルが楽しめるわけではないけれど、究極の命の選択に、自分なら耐えられるのか、自分にはこの選択が出来るのかと否が応にも考えさせられる。こういう宗教色の強い映画を観ると、宗教の勉強も少ししたいなと思うけれど、やった試しがございません。けれど、根本にあるものは宗教とは関係なく、人としてどう生きたいかって話だから、とくに知識無しで大丈夫。孔子曰く、罪を憎んで人を憎まず。的なこととか、結局どこの宗教でも言ってることは大きな差はないんじゃなかろうかね。つまりは宗教や国が違っても、本当は分かり合えるはずなんじゃないかと思うんだけれど、世の中はそう簡単には出来ていないし、人が三人集まれば対立が生まれるというもの。自分の生き方、死に方くらい選びたいけれど、現実の生き様、死に様どころか、こうありたいって理想を選択することさえも容易ではないよね。この映画はつい20数年前に起こった実際の殺人事件の話。これが現実というのがいたたまれないけれど、突きつけられた選択と戦う修道士たちの姿はとてもかっこよくみえました。
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