来夢

神様メールの来夢のレビュー・感想・評価

神様メール(2015年製作の映画)
3.9
「ミスター・ノーバディ」のジャコヴァンドルマル監督ということで、やっぱり哲学的で興味深いお話が盛りだくさん。予告やポスターアートはファンシーでみんなハッピー♪みたいな感じが醸し出されているけれど、どっちかというとシュールなブラックコメディ。自分の余命はあと何年だろうと想像することや、もし余命ごわかったらと妄想することは皆やってると思うけれど、余命を「知らない」ということこそが今の自分を形成しているということはあまり考えないよね。知ってしまったら、余生をどう生きるかだけでなく、価値観やもしかしたら人格にも大きな影響を与えてしまうかもしれない。いつかは必ず死ぬと知りながらも、いつかがわからないことで、考え続けることにある程度のブレーキをかけているけれど、そのブレーキが効かなくなってしまったら……。残り寿命に関係なく、生きることの中に「死」という意識が常に最前面にでてきてしまうっていう、ある意味とても怖いことをコメディと言うオブラートで包んで描こうとしてるけれどあまり包めていない、実は真面目でとてもいい感じの映画です。もし自分の寿命がわかったら、うーん、やりたいことありすぎて何しようか悩んでるうちに死にそうだな。
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