ノスタルジアと同じく難解…
懐かしさや母親像への願望を強く感じます。記憶が積み重ねられた過去と現在?を行き来して抽象的で美しい映像も印象に残ります。が、未来を感じるとることはできませんでした。
この場から飛び立ちたい、あるいは巣立つ前に戻りたいと思ったとき、かつて野原や家屋や吹いていたであろう風と共に記憶が切れぎれに現れ、想像や願望として幾重にも折り重なる感覚です。
鑑賞を終えて振り返ると冒頭の言語障害のある少年の姿が蘇ります。夢から醒めたときの何とも言葉にできないもどかしさ。そこには故郷の歴史も少なからず関係してくるかもしれません。
上手く言い表すことのできない心の奥底にある情景を再現するような作品です。