らんらん

不敵な男のらんらんのレビュー・感想・評価

不敵な男(1958年製作の映画)
4.0
田舎から出てきた生娘野添ひとみは、様々な悪事を働いているチンピラ川口浩によって騙され犯されてしまう
裁判の末一年を刑務所に入ることになった川口浩だが、かえって箔がつくと悪びれない
そして一年後出所した川口浩は野添ひとみと再会するのだが、野添ひとみは復讐のため出所するのを待ち続けていた、、、

こういう系の川口浩あまり好きじゃないんですが今作に限ってはそんなに嫌いじゃない
殺人に加担していたりと、やってることはかなり酷いんですが
「処刑の部屋」「親不孝通り」ほど胸糞な気がしない不思議

そしてこんな野添ひとみを見たのも初めて!なんかいいもの見た感
川口浩を口汚く罵り蹴りをいれ、ナイフで刺し、去り際に唾を吐きつける
養豚場の豚でも見るような冷たい目と態度、ドSな野添ひとみ良かったです
ラストで川口浩を見つめるうちに涙でボロボロになってる姿も良かったなー

ストーリーはそんな2人の愛憎劇を展開していきながら、川口浩が所属する愚連隊でのいざこざにより、警察と仲間と両方に追われながらも野添ひとみに会いにいく

自分を憎んでいるはずの野添ひとみ、ナイフで刺され、常に冷たい態度と視線
それなのに身を売られようとする野添ひとみを助け
その後、本意ではないがボスを殺してしまい追われる身、それなのに野添ひとみに会いにいく
その理由が、現在も野添ひとみの目が本当に冷たいだけなのかを知るため、、、それを確かめるまでは捕まりたくない
ここら辺すごい良かったと思う、その答えを見せる野添ひとみの表情の変化も上手い

単に気になるとか好きとかで会いにいくんじゃなく、その目を見ることによって、、、ってのが凄い、とても思いつかないです

神保町シアターの野添ひとみ特集において鑑賞
今回見に行こうと思った作品の中でも期待値はあまり高くなかったんですが、なかなか良かった、特にいつもとは違う野添ひとみの姿が見られたのが収穫
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