リラリオ

風が吹くままのリラリオのレビュー・感想・評価

風が吹くまま(1999年製作の映画)
3.8
クルド系の小さな村シアダレ。この村では、ちと変わった風習の葬儀が行われる。
村に危篤の老婆がいると聞いたディレクターベーザードは「これは葬儀の様子を取材するっきゃない!」テヘランから700キロ離れたシアダレへ⋯クルーを引き連れ取材に向かう。

到着したシアダレは、山間にあるとても美しい村。
村人には本当の目的は秘密→村に滞在し老婆の死を待つ→だが老婆なかなか死なず「おいおい、話違うぜぇ⋯」→暇を持て余し途方に暮れる→プロデューサーからの電話→携帯の電波悪っ→電波の届く丘の上まで車で移動→「まだ?」→「もう少々お待ちくださいませ⋯」

ベーザードはカフェへ→夫婦喧嘩中でカフェのおばちゃん、超機嫌悪スで仕事放棄「紅茶?自分で入れて!」→「⋯お2人は、紅茶飲みます?」ベーザードの気遣い→「いらねぇ!」マジ気まずい空気→旦那、耐えかねバイクで逃亡→おばちゃん「二度と帰ってくんな!」心が休まらない、客が気を使うカフェ⋯さっさと退散→案内役の少年ファザードに老婆の様子を聞く→老婆、スープを完食、話が出来るレベルまで回復→( ºωº )チーン→気を取り直し牛乳求め彷徨う→搾りたて牛乳GETする。

イライラが募るクルー「3日の予定が2週間経っても何も起きやしない!どうするんだよ!」→「あと3日だけ⋯約束する」→「俺らに隠しているけど⋯婆さん回復してんじゃん!この際はっきりした方がいい!」→「決めるのは俺じゃない⋯神だ!」→「発案者、おめぇだろ!」→「えっ!?俺に婆さんの首絞めろってか?」→「そうじゃねぇよ!見通したたずこのまま待っても無駄ってこと!」
だか、とにかく3日くれ、予感がする、神が決めることと、同じことしか言わないベーザード。

イライラベーザード、ファザードに当たり散らす→プロデューサーから電話→丘の上に移動→「機材使いたいから、帰って来い!」→「えぇぇ!!」→電話を切る→丘の上に亀。ノソノソ→足でひっくり返す⋯たまたま通りがかった亀に八つ当たり→そして放置、立ち去る→亀は自力で起き上がりまたノソノソとまた歩き出す。

やはり大人げなかった⋯車内1人反省会→ファザードに謝りに行く→テスト中なのに呼び出す(迷惑行為)→自分の怒りをオーバーヒートに例える「人も働きすぎるとオーバーヒートする」→「⋯でも、ベーザードさん今朝働いてなかったよ⋯」少年の鋭いツッコミ(笑)→「働きすぎだけじゃなくて、ヒマすぎてもイライラしていてもオーバーヒートするんだ!とにかく、忘れて仲直りだ!さあ、握手だ!」謝る気あんのかい(笑)

またまた帰って来い!電話→この2週間が無駄になるのでムリです!と断り、電話を切る→上司に逆らいやっちまったなベーザード、今度は亀でなくフンコロガシを見つめる→自分の体の何倍もあるフンを転がし続けるフンコロガシ、それを見つめるベーザード→その時、地面が崩れる音が⋯村の男が生き埋めに!!
死を待っていたはずの男が、まさかの人命救助。

なかなかシュールな話でした。めちゃくちゃあっさり淡々と進むので好き嫌いが分かれると思うが、私は好きっス!!
美しい風景と詩的な言葉、人生の皮肉、生と死。当たり前の日常、何でもないことが美しいと教えてくれる⋯キアロスタミの世界。
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