Yukiko

風が吹くままのYukikoのレビュー・感想・評価

風が吹くまま(1999年製作の映画)
4.0
2021年5月28日
『風が吹くまま』   1999年フランス・イラン制作
監督、アッパス・キアロスタミ。
他の監督作品に『友達のうちはどこ?』
『そして人生はつづく』『クローズアップ』『桜桃の味』
がある。

イランの都市テヘラン。
そこから西へ700キロ離れた村、シアダレ。
その村へテレビ局のスタッフが取材に訪れる。
村を案内する少年ファザードの祖母が危篤状態になり、
その村に伝わる特異な葬儀の風習を取材しに来たのだった。
が、数日間の予定で来たスタッフ達だが、数週間たっても
老婆は死なない・・・



設定がおもしろいですねぇ。
まるで今か今かと死ぬのを待つみたい・・・なスタッフ達。
早く死んでくれと言いたいところだけど、それを言っては
不謹慎。
「俺は悪い奴か?」と眉間に皺よせて悩む主人公のスタッフ
(べーザード・ドーラニー)。


一面の小麦畑がきれいな黄金色。
そこに曲がりくねった埃っぽい1本の道。
その道を走るのは、テレビ局のスタッフの車だけ。

テレビ局側の上司からの度々の電話。
その度に、携帯電話がつながる高台の墓地へと車をわざわざ
走らせる主人公。

その行動や会話がおかしくて、クスッと笑いながら、
にやにやしながら、口元を緩ませつつ観てしまう。


ラストには意外な展開が!
でも、やっぱりあと味が良いような結末へと。

これでいいのよ、と呟いてみる。
Yukiko

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