TAK44マグナム

その男 ヴァン・ダムのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

その男 ヴァン・ダム(2008年製作の映画)
2.9
ジャン・クロード・ヴァンダム。

90年代にブレイクし、活躍したアクションスター。

しかし近年は、専らB級ビデオスルー作品に、かろうじて主演。

「エクスペンダブルズ2」で悪役を演じて強烈な存在感を示すも、やはり世間的には忘れられたスターである。

そんなヴァンダムが、物語はフィクションながら、自虐的ネタ満載で本人役を演じた怪作。

郵便局強盗事件に巻き込まれた往年のスター、ヴァンダム。
映画なら(映画なんだけど)得意のハイキック一発で事件解決といったところなんだけど、現実は甘くはなく、なんと事件の犯人に間違えられてしまいます。

とにかく俳優人生も私生活も、リアルにどん底なヴァンダムのくたびれた感が最高!
本当にくたびれているから、ほとんど演技の必要なかったんじゃないか。
ラスト、華麗な蹴りが決まったぜ!と思わせておいて・・・といった展開も、皮肉が効いててグッド。

個人的に、初期~中期のヴァンダム作品は数多く観たし、「タイムコップ」「ユニバーサルソルジャー」なんかは劇場まで駆けつけたくちだけど、最近は作品の質もアレなんでスルーしがちでした。
けど、こんな自虐的映画つくったり、プライドよりも生活費!みたいな感じが、なんだか親近感が沸いちゃいます。

冒頭のノンストップアクション、そして「俺も、もう年なんだ」という愚痴。この一連の流れが、この映画をどう観なければいけないのかの指針となっていると思います。
つまり、「ヴァンダムだって老体に鞭打って頑張っているんだ!俺たちも筋肉映画ばかり観てきてもう年だけど、がんばってヴァンダムろうぜ!!」と、奮い立ち!燃え上がれたら!
ヴァンダムも喜んぶんじゃなかろうか? 関係ないか(汗)

「俺をわかってくれ!!」という、ヴァンダムの悲痛な叫びに思いをはせつつ、暇つぶし以外の何でもなく鑑賞(苦笑)。
とにかく今後も頑張ってヴァンダムってほしい!


※再レビュー

huluにて