よねっきー

サンライズのよねっきーのレビュー・感想・評価

サンライズ(1927年製作の映画)
5.0
償いと出逢い直しのデート映画。光と影を捉えた映像の眩しさになんだか胸がいっぱいになり、涙がこぼれてしまう。

感傷的な序盤/終盤と、愉快でスラップスティックな中盤のクロスフェードが美しい。夢幻的に編集された映像の説得力がいちいち凄まじく、ふたりが視線を合わせてからの祝祭感は見事。幸福が頂点に達すると同時に、画面に花火があがる。当時の大衆にとって、映画とは文字通り「夢を見させてくれる娯楽」だったのだと、肌で感じられる。

寄り添って歩く二人の背中を追いかけるショットは毎度スリリングだし、表情の移り変わりには決まって小さなサプライズがある。「運動」と「変遷」という映画の原初的な喜びが詰まった映画だ。これから何度も見返して泣いてしまうと思う。
よねっきー

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