現実とは異なった戦後の日本で織りなす、狼と化した男と少女の物語。
緻密に描かれた武器の重厚感や過激な戦闘描写が実に素晴らしい。
また、この時代ならではの作画と音楽が最高だ。
物語は赤ずきんの物語をベースとして男の心を描き出す。獣と人間は相容れないのか? 男には人間としての葛藤や愛情、それだけではうまくいかない切なさがある。
男の物語に加えて、組織対組織の大人の戦いもこの物語の面白いところである。
日本赤軍がテロをしまくっていた時代背景から発展させた世界観なのだろう。ようやく日本でテロなんて考えられないっていう時代になってきたなとしみじみ思う。