エリオット

見えない恐怖のエリオットのレビュー・感想・評価

見えない恐怖(1971年製作の映画)
4.3
リチャード・フライシャー④

監督の「シリアルキラー」三部作のうち「絞殺魔」(68)の後、「10番街の殺人」(70)の前の作品で、殺人事件に巻き込まれた目の不自由な女性を描いたサスペンス映画。
主演のミア・ファローとしては「ローズマリーの赤ちゃん」(68)「ジョンとメリー」(69)の後、「フォロー・ミー」(72)の前の作品。
ちなみにミア・ファローの父親のジョン・ファローはフィルムノワールなどを得意とする監督で、フライシャーと共同で監督したこともあるらしい。

冒頭、「修道院殺人事件と強姦魔」というタイトルがかかった映画館から星印の付いた皮のブーツを履いた男が出てくるが、カメラはその足元だけを映して移動していく。
男が指を打ち鳴らしながら歩くとショーウインドウの中の戦車の模型やライフル、電気屋のテレビの中のバイオレンスなシーンが次々と映るのだが、セリフもないただそれだけの映像だけで、その男がイカレた人物でその後事件を起こす不穏な人物であることが充分に示される。

特に、事件が起きてからミアファローがそれに気付くまでのシーンが素晴らしいが、観客に情報をすべて与えておいてサスペンスを盛り上げるやり方や音楽にバーンスタインを起用しているところは、他のフライシャー作品と比べてヒッチコック的要素が強いか。

それにしても「10番街の殺人」もそうだったが、フライシャーは死体の見せ方がうますぎる!!
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