HidekiIshimoto

喜劇 急行列車のHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

喜劇 急行列車(1967年製作の映画)
4.0
喜劇と銘打ちポロポロ泣かせる渥美清。この寅さん以前作は見た目も動作もちゃんと寅さんなのに、乗客の安全安心の責任を背負った車掌専務という珍しい役。寅さんが専務!四人の子持ちで素敵な古女房もいる寅さん。あゝこれぞマルチバース寅さん。あゝ両親健在だったらばこんな立派な社会人寅さんもぜんぜんあり得たわけよなぁ…としみじみ思った。だらしない部下に口うるさく小言を言う寅さん。制服姿もビシッとキマってる寅さん。けどやっぱり美人にゃ弱い寅さん。いや寅さんじゃないんだけど。けど困ってる人、苦しんでる人への向き合い方はやっぱりビシッと寅さん。そして初めての福岡からの上京で俺もお世話になった懐かしのブルートレイン。まだJRじゃなく国鉄だった頃、まだ1ドル350円とかだった時代の、けど格差も分断も人間不信も見当たらない庶民の交流が目に眩しくてよけいに泣ける。