しば

リリィ、はちみつ色の秘密のしばのレビュー・感想・評価

リリィ、はちみつ色の秘密(2008年製作の映画)
3.7
人種差別を題材にした切なくて心温まる物語。

人種差別が激しかった1964年のサウス・カロライナ州が舞台。
主人公は14歳の少女リリィ。
リリィは両親の喧嘩を止めようとして拳銃を母に撃ってしまい、誤って母を殺害してしまいます。
その後も父からの虐待を受け、罪悪感と孤独に苛まれるリリィはついに耐えられなくなり黒人の家政婦と一緒に家出を決意。
亡き母の面影を探すため、かつて母が住んでいた街のある豪邸に逃げ込みます。
そこに住んでいたのは養蜂場を経営する黒人三姉妹でした。
黒人一家に暖かく迎えられ、家族の素晴らしさを実感するリリィ。
そこで母の秘密を知ることになります。
しかし、彼女を探しに怒り狂った父親が怒鳴り込んできて…

可愛らしいタイトルとは裏腹に、当時の差別主義社会を生々しく描いています。
白人と黒人は仲を深めてはいけない、そんな間違った常識があった当時の社会で愛に飢えていたリリィは本当の愛を知ります。
主人公のリリィだけでなく個性的な黒人家族の一人一人にもドラマがあり、見入ってしまいました。
愛すること、愛されることの意味を知ることができる作品です。

気になった点は、作中である人物が自殺をしてしまうところです。
その死が物語に関わる意味のあるものではなかったので、死ぬ必要があったのかなぁと思います。
また、悪者として描かれる父親があまりにも救いようがないので少しかわいそうに思いました。
しば

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