ユースケ

007/慰めの報酬のユースケのネタバレレビュー・内容・結末

007/慰めの報酬(2008年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

前作【カジノ・ロワイヤル】の直後からはじまる【007】シリーズ初の続編である【007】シリーズ第22弾は、最愛の女ヴェスパー・リンド(エヴァ・グリーン)の死によってぶち切れたジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)が怒りに任せて殺しのライセンスを酷使しまくる復讐劇。モンハン同様、捕獲が下手では一人前とは言えないのです。

カーチェイス、パルクール、ありものを使った格闘戦など、一見【007】シリーズの皮を被った【ボーン】シリーズのような作品なので世間の評価はいまいちですが、ルネ・マティス(ジャンカルロ・ジャンニーニ)の死とカミーユ・モンテス(オルガ・キュリレンコ)の復讐によってジェームズ・ボンドが復讐心から解放される物語部分に注目すればそこそこ楽しめる作品だと思います。
最後の最後で登場するガンバレルはジェームズ・ボンドが一人前のスパイに成長した証。ワルサーPPKの復活も要チェックです。

とにかく、背中にサバンナを感じさせる野生を秘めた瞳を持つマイ・ベスト・ボンドガールのオルガ・キュリレンコにはシビれっぱなしでしたが、みどころのないもうひとりのボンドガールのジェマ・アータートンにはガッカリ。
全身オイルまみれで殺されるシーンは【ゴールドフィンガー】でシャーリー・イートンが全身金粉まみれにされて殺されるシーンへのオマージュなのはわかりますが、扱いが雑すぎてジェームズ・ボンドのヤリチンぷりを表現するためだけに登場したとしか思えずに不憫で仕方なかったです。
せっかくセミヌードまで披露したのにセックスシーンは省略って正気の沙汰ではありませんが、彼女を殺したドミニク・グリーン(マチュー・アマルリック)がエンジンオイルを一缶渡されて砂漠に置き去りにするあてつけ感満載のお仕置シーンがたまらなかったので許しましょう。

本作で描かれた悪の秘密結社クァンタムによるボリビアの水資源をめぐる陰謀は、1999年から2000年にかけてボリビアのコチャバンバで発生した水道事業の民営化と水道料金の値上げに対して市民が起こした反対運動【コチャバンバ水紛争】をベースにしています。水の危機という国際問題に乗じ、世界の水資源の支配を目論むウォーターバロン(水男爵)と呼ばれる巨大な水道事業者の存在は現実の問題なのです。

色々書きましたが、そんなに面白くはないです。盛り上げるためにジェームズ・ボンドにもっとエグい性器拷問を与えて下さい。