アニマル泉

王女メディアのアニマル泉のレビュー・感想・評価

王女メディア(1969年製作の映画)
5.0
パゾリーニは強烈だ。圧巻の造形力と衣装はフェリーニのようだ。ギリシャ神話、人体切断、ケンタウロス、黄金の皮の山羊などが悪夢のようにごった煮になる。マリア・カラスがよく出演したと思う。パゾリーニの起用は素人かスーパースターか、極端だ。撮影地のカッパドキアの岩場、竜巻、土煙が世界観を作りあげている。「火」が主題だ。ラストは王女メディアが子供たちを清めてから殺め、城に火を放ち、大火の中で死んでいく。メディアの花嫁暗殺の妄想では、王娘グラウケー(マルガレート・クレマンティ)とクレモン国王(マッシモ・ジロッティ)が火だるまになる。それが現実にリフレインされて二人とも次々と飛び降りる。
パゾリーニはアップが力強い。アップで場所や時間をジャンプしてモンタージュしてしまう。邦楽の琴や三味線が印象的に響く。
カラービスタ
アニマル泉

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