竜平

オーシャンズ13の竜平のレビュー・感想・評価

オーシャンズ13(2007年製作の映画)
3.9
『オーシャンズ11』からなる、超豪華キャストで贈るクライムコメディシリーズの3作目。極悪ホテル王に裏切られてしまう仲間の敵討ちのため再びオーシャンたちが集結。やがて始まる華麗なる復讐劇、という話。

ストーリーや構成が複雑だった前作『12』とは打って変わって、今作は至って単純明快、原点回帰といった感じ。まず『12』でもそうだったけど冒頭のシーンから掴みバッチリ、一気にその作風を思い出させてくれる。オシャレな音楽と雰囲気、スティーヴン・ソダーバーグ流とも言えるスタイリッシュなのにどこかゆるくてあっさりな世界観、小気味いいセリフにテンポ感と、シリーズ通しての魅力が今作でも健在。またアンディ・ガルシアやヴァンサン・カッセル、その他にも細かい脇役などが続投してたりして、シリーズとしての繋がりやファンサービスというのも嬉しいところ。ただジュリア・ロバーツ、キャサリン・ゼタ・ジョーンズといったこれまで出てた女性キャスト不在のせいか、華がちょっぴり足りない印象もある。けどまぁそこは今回の悪役「バンク」に扮するアル・パチーノがしっかり埋めてくれてたりして。また今作ではマット・デイモン扮する「ライナス」にちょいスポットが当てられてたり。オーシャンが主役なのは間違いないんだけど、作品毎にメインがローテーションされていくあたり上手い、てかそーゆーの個人的には好みだったりして。

諸々の準備となる前半、途中でやっぱり出てくるトラブル、でもそれを凌駕してくる計画性、そしてお待ちかねの本番と、この流れは文句なしにおもしろいなと。その復讐方法もオーシャンズらしいというか。で、なんやかんやで成功するとわかっていてもやっぱり楽しめちゃう不思議。クルーニーは相変わらず渋いし、パチーノの負け顔なんか最高。今作に関してはオチも素敵。見終わったあとになんだかハッピーになれる、息抜きにぴったりの良き娯楽作品。フランク役のバーニー・マックが残念なことに亡くなってしまったけども、いつかこのキャストによる続編、やってくれないかなぁ、やってほしいなぁ。完。
竜平

竜平