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となりのトトロのmtのネタバレレビュー・内容・結末

となりのトトロ(1988年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

メイと同じくらいの年齢の時、父親と映画館に見に行ったとなりのトトロ。
同時上映の火垂るの墓は両親の計らいで幼稚園児には過激であろうと、トトロの上映時間にだけ入った覚えがある。
あの頃はヤギの歯が怖いなあとかトトロ可愛くて面白いな〜としか思わなかったけど、25歳になった今見直すと、教員をしているからか、歳をとったからか、サツキとメイの両親の心情を慮ってしまってボロボロ泣きながら見た。

割と初期のシーン、娘の髪をとかす母親の姿、娘に対する愛に溢れた優しい言葉選び、病院からの帰り道、見知らぬ土地で娘二人を男手ひとつで育てる父の少し寂しげな笑顔。
そのシーンだけで夫婦の絆や子どもへの想いや決心を感じて号泣。

そして、ジブリのキャラはなぜこんなにも生き生きと描かれているのか。幼児のメイの動きや表情の描写や、長女サツキの視野の広さ、逞しさ、純粋さ、たまに見せる弱さ。
宮崎駿は幼稚園教諭、小学校教諭でもしていたのか……?というほど子どもの表現力が高くて驚く。どんな観察眼なんだ。

また、ジブリは日常のふとした風景の美しさを過不足なく凛と描いていると思う。
田舎の川を流れる水のきらめき、傘に落ちる雨の音、目に映る風の動き…。日常の美しい瞬間に非常にセンシティブな人だからこそ描ける映画なんだろうな、と思う。

いつか子どもが産まれたら私の父のように一緒に肩を並べて観たいなあと思います。
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