タカシサトウ

太陽を盗んだ男のタカシサトウのネタバレレビュー・内容・結末

太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

 中学校の理科の先生である城戸誠(沢田研二)が、プルトニウムを盗み出し、原爆を作り、政府に要求を突き付けていくが…という話。

 この頃は、ナイターは終了時間が決まっていて、いい試合に限って伸びると途中で打ち切りだったから、延長しろというのは確かにそう思っていた人は多かった気がする。また、ザ・ローリング・ストーンズ公演は、ミック・ジャガーの逮捕歴で公演中止だったようだから、それを公演させろ、というのもみんな思っていたかも。

 ずっと、観ようと思っていて、やっと観ることが出来たが、古さがあるけれども、物凄いエネルギーを感じる、この時代ならではかもしれない。

 原爆を作るという事も、皇居前で、バスジャックする事件が起こったことを映画にすることも、今ではタブーだろうし、よくこういうものを作れたと思う。

 監督の長谷川和彦が、胎内被曝者ということで、こういう流れにしたとのこと。段々毛が抜けたり、ラストのタイムアップも強い印象に。単なる、アクション映画を越えたメッセージになっている。「青春の殺人者」も過激だった気がするが、こちらも負けず劣らず確かに凄い熱量だと思う。

 菅原文太の山下警部、あの喋り方は、この人にしかできないだろう、やくざ映画が体に染みついているからだろうけれども。

 風間杜夫とか水谷豊が、一瞬出るのもやっぱりこの時代ならではかと。

 沢田研二は、ちょうどこの頃、“TOKIO”とか歌ったようで、時代の寵児という感じだった。そのままに、ここでもノリにノッテいたと思う(2023.5.4)。