シュークリムオ

メメントのシュークリムオのレビュー・感想・評価

メメント(2000年製作の映画)
5.0
記憶が残らない男のお話。公開当時から見事な映画だったよね。不思議と世の中にも「短期間しか記憶ができない」というものが浸透して、似たような設定なども増えたのも印象的だった。今のノーラン作品と比べると、尖ってて新進気鋭でスタイリッシュな作風。ここも上り詰めるための階段だったとしたらノーランにシビれる。ガイ・ピアースという薄幸そうで強いのか弱いのかわからないキャラクターがまた何か普通の映画でない予感をさせるのもよい。本編の合間にサミーという人物を語るモノクロシーンが挟まるのもとても印象的で、というか時間軸が織り混ざっていく感じが見事だよね。混乱させないのはノーランの上手さか。周囲の人物も胡散臭いので、見ている側も何を信じたらよいかわらかなくなる。記憶とは別に何か狂気を感じる主人公の、最後に起こす行動というのがまた狂気で、ハッピーエンドなんかバッドエンドなのか…。今こそノーラン作品の初期として見る価値あり。