nineko

天国と地獄のninekoのレビュー・感想・評価

天国と地獄(1963年製作の映画)
4.0
犯罪ものとしてはテンプレ的(60年代の映画だから当たり前か)な導入と序盤の展開、やや冗長な捜査シーンなどを観て「ああ、黒澤明もこういう普通のサスペンスを撮るんだな」と呑気に構えていたが、終盤のスラム街のシーンから明らかに様子が変わる。そしてあのラスト。僕は劇中の三船敏郎と全く同じように言葉を奪われてしまった。「謎解き」が中核にある一方、明確には語られないままに終わるいくつもの事柄が物語の裏側で結ぶ像に打ちのめされる映画。
nineko

nineko