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天国と地獄のcのレビュー・感想・評価

天国と地獄(1963年製作の映画)
3.9
終わり方すごい!
山崎努の異常な精神状態の演技が素晴らしくて監督がラストシーンに変更したというのが、分かります。
面白いサスペンス人間ドラマでした。

もちろん時代が古いので、色々びっくりするようなアナログ過ぎるシーンありますが、それでも!

誘拐犯人に何故か恨まれている大会社の常務 権藤、実際に息子を誘拐された父子家庭の運転手、警察の捜査陣、そして、誘拐犯人。
それぞれの気持ちや状況がなるほどーと思わせられる。
私が一番気持ちが入ってしまったのは誘拐された父親だった。
大事な子供へのたまらない気持ちと、権藤にすがるしか術がなく、だとしても恩を返すことは出来そうにもなく、さらに自分が仕えている主人権藤の人生に大きな影響を与えてしまう。。。
辛い。
でも、その父親に親身になる権藤の奥さんもいいし、
権藤の自分の子供ではない子供のせいで犠牲を負う、悩みに悩む姿も全然いけすかかなくなく、同情出来る。


捜査担当の戸倉警部を演じる仲代達矢のヘンリーフォンダを模したという、スマートで冷静なキャラもいい。
私の中での一番のやな奴は犯人よりも、平気で時どきの優勢権力に転がる権藤の右腕だった河西だった。
キャラ設定が良いから引き込まれて面白い!


この映画以降 誘拐事件が多発、模倣犯も出現し、問題になり刑法一部改正のきっかけになったと読みました。
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