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EUREKA ユリイカのryoのレビュー・感想・評価

EUREKA ユリイカ(2000年製作の映画)
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大津波がくる。
いつかみんな居なくなる。

悲劇が起きたり、
帰る場所をなくしたりしても、
円環的に続いていってしまう人生。
一緒にいる人たちが1人また1人といなくなっても、ぐるぐる同じところを回り続ける悲劇。

知らない場所で違う自分としてリスタートしようとしても、結局はこれまでの続きでしかない。
どうしようもなくなって破滅的な刺激を求めたくなる。そんな事件が現実にもあるように思う。


同じ境遇を抱えた違和感のある集団を擬似家族的にバスに乗せて走り出すいう設定。そしてラストの空撮の円環からの離脱が素晴らしい。帰る場所などないのに、帰ろうというそのラストも良かった。果たしてどこに帰るのだろうかと思ってしまうが、帰ろうと言えるという事は、死なないで廻り続けることなのだろうなと思う。

生きろとは言わん、死なんでくれ。
積極的な生などいらないから、ただ廻り続けるなかに漂うという感覚。

全編で宮崎あおいのワンカットワンカットの切り取られた表情が凄いとしか言いようがない。
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