みかんぼうや

RENT/レントのみかんぼうやのレビュー・感想・評価

RENT/レント(2005年製作の映画)
3.6
1989~1990年のニューヨークを舞台に決して華やかとはいえない(むしろ貧困寄り)生活を送る若者たちが夢を追いかける大ヒットブロードウェイ・ミュージカルを、あの「ハリー・ポッター」初期2作の監督が映画化。最近観たミュージカル映画の中では比較的面白かったです。一言でいうと、楽曲の良さと歌に惹かれた作品でした。

主人公の若者たちが、薬物中毒、同性愛、エイズ感染・・・など、様々な背景を持ちながら夢に向かって進んでいく、いわゆる若者讃歌であり、自由の国アメリカ讃歌的色合いもところどころで見られます。

正直、色々な苦難を抱える背景設定のわりには、物語の中身自体にはあまり濃くなかったです。ミュージカルなので仕方ないですが、ヒューマンドラマとして見ると展開は強引で単調。

ただ、純粋に楽曲と歌が良いです。これまで観てきたミュージカル映画の中でも、楽曲がモダンというか、アメリカンポップス調で他ミュージカルの楽曲と一線を画したノリの良い曲調のものが多い。しかも、どんどん次の曲に移っていくという曲数の多さ。

加えて、演者全体の歌唱力が高い!他ミュージカル映画と比べても、歌のレベルはトップクラスではないでしょうか?主演だけでなく脇役も含めてみんな上手いので、一つの大型MVとして観られます(あとで分かったのですが、オリジナルのミュージカルに出ている出演者がかなり起用されていたようで、納得!)。

ということで、完全に楽曲と歌で押し切られた感があります。

これで苦手ジャンルだった“ミュージカル映画”も十数本観ましたが、「レ・ミゼラブル」以外は、やはり物語の面白さ自体よりも楽曲と歌が好みかどうかで、自分の中で評価が大きく分かれることがよく分かりました(「レ・ミゼラブル」は歌・映像はもちろん、物語もかなり好きなので別格)。

次は「イン・ザ・ハイツ」あたりを攻めてみようかと思っていますが、はたしてどうでしょうか!?
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