かいと

ミストのかいとのネタバレレビュー・内容・結末

ミスト(2007年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

胸糞悪い映画No.1として名高いミストだけど、僕はそうは思わなかった。
こんな感じの映画(スリラー要素やモンスター要素)知ってる人いたら教えてください!!

結末だけなら確かにバッドエンドかもしれないが、主人公デイビッドは最後の瞬間まで自分の選択が正しいのだと信じていた。しかし、他人の意見を聞かずに自分たちの信念を貫き通した結果、人々を「死」に扇動してしまった彼らこそがカルト的ということもできる。
劇中でカルト教祖のように描かれていたカーモディはどうだろうか。確かに無駄な不安を煽ることをいい、あまり科学的な根拠に根ざしてはいなかったが、彼女自身が人を傷つけることは最後までなかった。しかし、ここでカーモディの言う通りにしておけば助かったじゃないか、と本当に言えるだろうか?

アマプラのレビュー要約:
本作のテーマとして「結果を伴わない過程は全否定されるものなのだろうか」というものがある。主人公は全編を通して善人であるが、最悪の結末を迎えてしまうことでカーモディの方が正しかったと視聴者に判断させてしまう。しかしこの結果論的判断は、一時の感情に流されて扇動されてしまった狂信者と同じものではないだろうか。

このレビューは自分的に腑に落ちた。
もともとクトゥルフ神話的要素やスリラー要素を求めて鑑賞したが、それだけでなく、こうした人々の葛藤や心の脆さをはっきりと描かれており、人間ドラマとしての要素も楽しむことができた。
かいと

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