ルチル

欲望の翼のルチルのレビュー・感想・評価

欲望の翼(1990年製作の映画)
4.5
レスリーチャンの作品を初めて見たのは、チェンカイコーのさらば我が愛/覇王別姫。
今からもう20年以上前に、やはりル・シネマで。
男性なのに繊細で色っぽくて、京劇の女方が見事にはまっていた。

この映画の中のヨディは、粗野で女好きで暴力もふるって、感情のまま自暴自棄に生きているのに、やはり繊細で色気が漂う。
見ているこちらの感情が波立つような存在感。

花様年華のマギーチャンは、チャイナドレスがとても素敵な大人の女性だったけれど、スーのマギーは、ノーメイクで初々しく、でもとても綺麗でかわいい。

みんな気持ちが揺れ動き、感情をぶつけ合っている中で、アンディラウが唯一落ち着いていてまともで、安心する。

王家衛の映画は大好きなのだけど、ストーリーはともかく、魅力的なワンシーンが繋がって映画という形になっていると思う。あのシーンがもう一度見たいって思う。
それと濃厚な空気感。

最後にトニーレオンが三つ揃いのスーツで身支度をしている姿に惚れ惚れしていたのに、あれー!?って感じで残念だった・・笑
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