90年代はヤキソバンやニャンまげ、近年はソフトバンクの白戸家等のCMで名を馳せた山内ケンジ。自分は映画しか知らないけど、山内監督が撮る石橋けいはいつもウザくて魅力的。舞台も観てみたかった。
まず「At the terrace テラスにて」で感銘を受け、その後に「友だちのパパが好き」、そして遅ればせながら本作…と彼のフィルモグラフィを遡る形で観てきたのですが、長編映画デビューとなるこの作品は若干の消化不良さもあるけれど、やはり山内印のイヤぁな話で面白い。薄気味悪い話があらぬ方向からクライマックスに向かう。“あの木倒れそうだな…”と思っていたら、横の別の木が倒れて“えっ？”って展開。そのせいで前述の消化不良もあるんだけど、演出力（と配役力）で全然面白い。
“馬子にも衣装”を“孫にも衣装”だと勘違いしたままツッコミ無しで済ませてしまう会話とか凄く好き。ストーリーに全く関係ないんだけどね。演劇の人ならではなのかなと思う。
