コーディー

ミツコ感覚のコーディーのレビュー・感想・評価

ミツコ感覚(2011年製作の映画)
3.9
山内ケンジ監督の極上イライラワールド3作目!

この展開あり得なくはないけど想定した内の最後のパターン、そんな稀少な現実の連鎖。ストーカーへの生理的嫌悪から始まる姉妹の物語は明らかな違和感や不条理を抱えながらも虚に塗れ歪な調和を招く。そもそも実なんて掴めないのかと錯覚する程の歪み、そこから覚めた時の戦慄。面白過ぎる!

さっきまで憎しみの対象でしかなかった人間を一度許容すれば笑い合えてしまったり不幸も更なる不幸が上塗りされれば前のが軽くなったりと何て容易いんだと嫌になるw微妙なズレを抱えた人間による歪んだ関係にピントが合っていく気味悪さ。まだ正常な妹ミツコの感覚さえ正常とは言いきれない。

今回もチクチク胃が痛くなる会話劇のオンパレードなのに釘付けになるし終盤なんてただの会話がホラーだよw3作とも出演の石橋けい演じる姉ちゃんと初音映莉子演じる妹ミツコの幸せ求めるも煩わしさ連発、古舘寛治の軽薄さも最高!
そして謎のストーカー三浦がマジで気持ち悪くて不気味。
てかこの監督は人の醜さをジワジワ描くのが巧いな〜