ゴミ箱島代表ひもる

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Qのゴミ箱島代表ひもるのレビュー・感想・評価

2.7
これは当時はかなり荒れました。前の2つの作品は非常に面白い作品として終えましたが、この『Q』は多くの点で重い作品であり、正反対です。これは驚くべき変更でした。これは、公開までほとんどの情報が隠されていたことが一因です。 『序』は旧シリーズのリメイクに近いので内容はほぼ同じで、 『破』の約半分は旧シリーズの流れに沿っていたので、どのようなストーリーかある程度予測できました。ですが、この『Q』からは違います。それは新しい話であり、私はそれをまったく予測することができません。前作とは全く違う作品です。それは難しいです。
本当の評価は次の最終版次第なので、何も言えない部分も多いですが、個人的にはエヴァっぽい感じがします。昔の映画版を初めて見たときの気持ちに近い作品かもしれません。この物語は、次の最終版に向けて主人公を徹底的に打ち負かす作品です。典型的な例は『帝国の逆襲』と『インフィニティ・ウォー』です。しかし、エヴァの場合、「そんなにやる」と思うほどシンジを絶望させます。この物語では、シンジは完全に希望を奪われ、絶望の底に叩き込まれました。前作の最後に感動した人は、この話を受け入れるのが難しいと思います。前作の最後でしぶしぶエヴァと戦ってきたシンジは、ついに父親と喧嘩し一度エヴァを完全に降りることにしたが、レイを救うために、エヴァに再び乗り、レイを救うことにした。どんなことをしてもレイを救うんだ!と目覚めた話でした。でも今回はそんな前作でのシンジの成長を完全に否定する話です。前作でシンジがしたことは、世界を滅ぼす大罪となり、かつて仲間だった人々が彼を憎み始めます。前作の感動はど何だったんだ?と思うのも不思議ではありません。
ミサト達のシンジに対する態度の変化はシンジの視点から見ると大きいです。この公沿いはこの『Q』の非常に嫌な構造であり、私たち視聴者は突然14年間飛んで、浦島太郎状態のシンジと同じ状況に置かれます。突然、14年が経過したと言われ、その間に何が起こったのか説明されじ、物事が進み流されてしまいました。映画の視聴者とシンジのシンクロ率がほぼ100%で進んでいきます。少なくとも一見、シンジへの感情的な移り変わりでミサトらの反応に違和感を覚えますが、落ち着いてミサトらの「WILLE」の視点から考えると、ある程度理解できます。 14年というのは人の心を変えるのに十分な時間であり、「ヴンダー」が登場するまで、WILLEは逃げざるを得なかったという発言があります。おそらく彼女はこれまでの戦いで多くの犠牲を払ってきました。そのように14年間戦ってきたなら、冷たい性格に変わっても不思議ではありません。そもそもミサトは使徒に恨みを持って動いている人であり、ゲンドウに利用されていることを知って争っていた可能性が高いので、こうなるのはさほど不思議ではありません。それに、組織内での立場からシンジに優しくできないというのもあると思います。シンジに対して冷酷になれなかった描写もあり、シンジへの優しさは今も残っているようです。そして、シンジに全責任があるわけではないにしろ、サードインパクトは間違いなくシンジが原因であり、また同じようなことをする可能性のある危険な人にこのように対処することは避けられません。
この物語は、シンジが犯した罪にどう向き合うかというものです。シンジが犯した罪について聞いたとき、シンジは絶望してしまいます。自分はただレイを助けたかっただ!自分は悪くない、関係ないと罪から逃れるように努めます。しかし、それすらも絶望に変えてしまいます。エヴァの物語はシンジに希望を与え、それを絶望に変えます。それはいつも繰り返されることです。今回、カヲルはこの作品でシンジにとって唯一かつ最大の希望です。シンジはカヲルの希望に頼り、自分の罪を無かったことにしようとしますが、今よりも状況が更に悪くなってしまいます。シンジを堕とすところまで堕とすという残酷な話です。この物語は全く新しい物語ですが、ある意味では旧シリーズの弍拾四話に基づいていると言えます。つまり、旧劇場版直前までの状況です。シンジが完全に生きる力を失った今、最終章でどのような答えをするのでしょうか。次のシンエヴァは、新劇場版だけでなく『エヴァンゲリオン』の物語を完全に終わらせるものになるでしょう。そのため、キャッチフレーズは「さらば、すべてのエヴァンゲリオン」なんでしょう。
兎にも角にもすべては次の映画です。この作品の評価はシンエヴァの結果次第で決まりますが、1本の映画としては足りないところも多いと思います。大事な部分は全く説明されておらず、次の作品に投げ込んでいるような気がしますが、エヴァはこういうことをいろいろ考えて楽しむ作品であり、こんなに大きなコンテンツの前には色々なワクワクがあります。想像しながら待っていると一番楽しいです。 『スター・ウォーズ』と『エンドゲーム』もそうでした。答えはいつか出されます。受け取り方や解釈の仕方は人によって異なります。
評価は次の作品にもよると言ったのですが、この作品だけでも面白いところはたくさんあると思います。序盤のUS作戦でのエヴァの最初の宇宙戦闘は新鮮で力強くて楽しいものでしたし、ヴンダーの最初の戦闘も斬新だったのは良かったと思います。アニメーションとしては、前2作品とも同じくらいクオリティが高く、エヴァらしい無茶苦茶な感じで普通に楽しんでいました。