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石巻市立湊小学校避難所のkyokoのレビュー・感想・評価

石巻市立湊小学校避難所(2012年製作の映画)
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特集に組まれていたから、てっきり瀬々監督作品なのかと思ったら、プロデューサーだった。(制作費を振り込んであげたらプロデューサーとして名前をクレジットされたと謙遜しておられた)

震災後すぐに避難所となった石巻の小学校で、監督が見たもの感じたもの。
慰問で避難所を訪れたゴスペルグループを遠巻きに見ていた女性が言う。
帰る場所を持ってるやつがふるさとなんか歌うんじゃねえ
福島から「自主避難」を余儀なくされた女性が言う。
どの口が「原発さえなかったら」などと言えるのだ、さんざん東電に甘えていたくせに
最初は普通に駄々をこねていたあの女の子。10歳の誕生日を境に急に大人びたようだった。過酷な体験が否が応でも大人にしてしまうのかと思うと切ない。
愛ちゃんのモノローグは涙が出て仕方なかった。

半年近く寄り添ったからこそ撮れた生々しさがある。

愛ちゃんと女の子のその後を監督が石巻からリモートで教えてくれた。大きな悲しみと嬉しみに、10年という年月の長さを実感する。
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