kyokoさんの映画レビュー・感想・評価

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もう雪は降らない(2020年製作の映画)

3.9

高級住宅街と呼ぶにはあまりにも味気なく見分けがつかない戸建がずらりと並ぶ区画を、折り畳みベッドを肩に下げて次から次へとドアチャイムを鳴らしながら漂流する男。彼がただのマッサージ師でないことは冒頭で分か>>続きを読む

リフレクション(2021年製作の映画)

4.0

アトランティスと同じ、ワンシーンワンカット。さらにカット数が少ない気がする。25から30の間くらいかしら。
そこで起きていることを1から10まで映し出すことで、男の孤独と戦争が刻みつけた苦痛が伝わって
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三姉妹(2020年製作の映画)

3.8

台湾映画『弱くて強い女たち』のような温かみのある三姉妹ものを想像していくとかなり痛い目に合うので要注意。
「 야 ヤー!!!!」という金切り声が響くたびにメンタルが擦り切れた。

実は私も三姉妹の末っ
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スープとイデオロギー(2021年製作の映画)

-

鑑賞後にジャケ写を見るとまたじわり泣けてくる。

こんな辛い記憶ならば、いっそ忘れてしまった方が楽だろう。その記憶から母親を解放させたいと思いながらも、歴史の語り部としての役割を担ってしまった娘は、も
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恋人はアンバー(2020年製作の映画)

3.8

90年代のアイルランドの田舎町で、セクシャルマイノリティであることに気づかないふりをするエディと、マイノリティであることは否定はしないけど周りがうるさくて辟易しているアンバーが、カップルのふりをして卒>>続きを読む

走れ、ウイェ!走れ!(2020年製作の映画)

3.6

パーキンソン病を発症したスウェーデンのミュージシャン、ウイェ・ブランデリウスの自伝的映画。彼とその家族がoneself出演している。
ほのぼのキャラのウイェ、バリキャリの妻、見た目に反して自分を出すこ
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

3.9

壮大なノスタルジー映画 →いい意味で

これの前に1を再鑑賞しておくかと思って観始めたのだけど、うそーん、これこんなにダサ演出だった!? こういうノリの時代だったにしてもつらい。10分経たないうちにギ
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ゴースト・フリート 知られざるシーフード産業の闇(2018年製作の映画)

-

漁業のサプライチェーンに潜む、人身売買と奴隷労働者という深い闇と、そんな状況から彼らを救うべく奔走する労働権利推進ネットワークのパティマさんたちの活動を追う。『ヒューマン・フロー』みたいにドローン映像>>続きを読む

私だけ聴こえる(2022年製作の映画)

4.0

ろうの親の元に生まれた健聴者の子どもCODA(Children of deaf adults)。

不幸じゃない、でもろうだったらもっと楽になれる、親と離れたい、でも愛している、同情はいらない、共感だ
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必殺! 恐竜神父(2018年製作の映画)

1.0

これはヒドイ。
たかだか1時間ちょいだけど、3時間くらいに感じた。時間返せと言いたい。

こういうのは馬鹿馬鹿しいことを真面目にやってナンボでしょ。マネキンの首はギリギリOKだけど(OKなのか?)着ぐ
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教育と愛国(2022年製作の映画)

-

人は何のために歴史を学ぶのか。
戦時に起きたことの真相を紐解き瑕疵を認めることは、二度と悲劇を起こさないために、ひいてはこの国をよりよくするために必要なことだと思っていたけれど、今の日本ではその考え方
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.7

息子の幼少期に一緒にウルトラ怪獣大百科を眺めていた程度で、物語としてのウルトラマンをあまり知らない身としては、これくらいざっくりで深読みしないで済む方が気楽に楽しめた。禍威獣羅列の導入部分がいちばん楽>>続きを読む

ドンバス(2018年製作の映画)

-

2014年以降、親ロシア派勢力とウクライナ軍の武力衝突が絶えないウクライナ東部ドンバス地方を舞台にした、実話に基づく13のエピソード。登場人物がエピソード間を横断することで繋がりを生んでいる。ダークユ>>続きを読む

流浪の月(2022年製作の映画)

3.8

『八日目の蝉』の悲恋バージョンかと勝手に思っていたけれど、人間が持つ様々な「嫌悪」と生きづらさ(でも結局は養育環境の影響大)に、今となっては避けては通れない現代の社会問題(SNS)を加えた、なかなかヘ>>続きを読む

乾いた人生(1963年製作の映画)

3.8

冒頭、なんだかわからない音が鳴り響く中(あとで車輪の軋む音だと判明)カラカラに乾いた土地を歩く家族。炎天下、水無しだと嚥下が激ムズそうなパッサパサの何かを食べるしかなく、すでにギリギリ感がハンパないけ>>続きを読む

メイド・イン・バングラデシュ(2019年製作の映画)

3.8

ファストファッションの裏側にひそむ過酷な労働問題と貧困に女性の人権問題が絡んで、バングラデシュの暗部ばかりが目立つというのに、あまり暗澹とした感じを与えないのは、意外にも女たちが男たちに対してかなり強>>続きを読む

潜水艦クルスクの生存者たち(2018年製作の映画)

3.9

『レッドスパロウ』でプーチンもどきを演じたマティアス・スーナールツと、リアル妊婦のレア・セドゥやコリン・ファースといった有名どころをメインキャストに据えて、リュック・ベッソン総指揮、トマス・ヴィンター>>続きを読む

BEGINNING/ビギニング(2020年製作の映画)

-

固定カメラによる長回しといい、『ジャンヌ・ディエルマン』の芋むきを彷彿とさせるシーンといい、これはやはりアケルマンに対するオマージュ作品なのかしら。
アケルマンをさらに暗くした感じで、4:3の画面が固
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ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

4.5

アケルマン祭はこれで締めようと決めていた。

1日目の冒頭になにやら後ろ暗い影と彼女の神経質な部分を垣間見せることで、リズミカルな生活でありながら不穏な展開を予感させる。
1日目を下敷きにさせることで
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私、君、彼、彼女(1974年製作の映画)

-

何もない部屋の「私」
そこで繰り返される動と静。
滑稽なような切ないような。
ずっと見ていられるような、もう勘弁って言いたいような。

「彼」は安定せざるえない人生を嘆いているのか誇らしげなのか。
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ルバーブ(1951年製作の映画)

3.8

MGMのライオンみたいな雄たけびをあげて、闘争心むき出しでシャーシャー言ってた野良猫が、その闘争心に惚れ込んだ大富豪の遺産相続人になって、野球チームの守護猫になる話。
ルバーブ(=野球用語で大乱闘)と
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囚われの女(2000年製作の映画)

4.2

失う恐怖があらぬ疑念を創りあげて、しかも相手がその疑いを認めてくれたら自分はきっと苦しみから解放されるんじゃないかとまで考えるんだから、相手からしたら迷惑千万な話。囚われているのは女ではなくむしろ男の>>続きを読む

内なる檻(2021年製作の映画)

4.0

閉鎖の決まった刑務所には、移送先のトラブルによって足止めされた12人の囚人とその監視のために残された職員15人という、私の大好物、ミニマムな人数によるワンシチュエーションドラマ。

さまざまな予定外が
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オルメイヤーの阿房宮(2011年製作の映画)

-

アケルマン2作目、暗い廊下の縦構図と人物と風景の横移動を観ただけで、ああアケルマンだと生意気なことを思ってみたりもしたのに、実際はなかなか入り込めずに苦戦した。そういえば『地獄の黙示録』も同じだった。>>続きを読む

マルクスは待ってくれる(2021年製作の映画)

-

べロッキオ作品には、自身の家族(特に母親)が色濃く投影されている、らしい。べロッキオ作品をよく知っている人には興味深いドキュメンタリーに違いないだろうけど、残念ながら私は近年のべロッキオ作品を数作、し>>続きを読む

アメリカ・ラティーナ(2021年製作の映画)

3.3

イタリア映画界のニューカマー、双子のディンノチェンツォ兄弟による作品は、思った以上にホラー味が強くて、なかなかの緊張感で引っ張られる。音で脅かす系も安易だけどまんまとビクついたし。

ラストはどんな「
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アッカトーネ(1961年製作の映画)

3.8

華麗なるヒモ生活のスローガンは、
働くやつは罰当たり!

クズはクズらしくクズに徹していればよいものを、純真無垢なる処女(おとめ)に恋してうっかり真人間になろうとか血迷ったのが運の尽き。クズがそうそう
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アンナの出会い(1978年製作の映画)

4.2

彼女がブリュッセルで降りた列車はたしかMoscow発Paris行きだったと思う。戦争の爪痕をなぞるような道程でのいくつかの邂逅は、話しても歌っても身体を密着させても、誰とも繋がれず、行き場を失った心だ>>続きを読む

TOMMASO/トマソ(2019年製作の映画)

3.5

自分の嫁と子供を使って、私小説的作品を撮ろうってんだから、どうかしてる。
ドSともドMともいえるまさにド変態映画。
デフォーのこわもてに、娘ちゃん完全に引いてるやん。デフォーが寄っただけで体を緊張させ
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宝島(2018年製作の映画)

4.5

念願叶いまして。jaihoさんありがとうございます。

巧み過ぎる編集はあざといといえなくもないけど、まんまと多幸感に包まれたから良し。
自然と人工がないまぜになった島に、人生が交錯する。
夏休みをど
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スパークス・ブラザーズ(2021年製作の映画)

4.0

名前だけは存じてましたが…な人たち。
キモノマイハウスから始まる最初のブレイク期はまだ全然子どもだった。むちゃくちゃ聞いてそうな90年代は彼らにとっての暗黒時代で全く露出がなく、ここまであまり触れる機
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アーフェリム!(2015年製作の映画)

4.2

ロマ人奴隷の売買という、1850年代まで続いた黒歴史を背景にした皮肉溢れる自虐映画は、出てくる人間ほぼ口悪いのにどこか牧歌的で、まるで人間讃歌のような錯覚を覚える。息子のグダグダの令状読み上げのシーン>>続きを読む

ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)

3.8

根本的に銃を規制すれば済む問題じゃないとはいえ、まるで洋服でも選ぶみたいな気軽さで銃を売り買いする場面には心底ゾッとした。

何が正解だったのかあるいは間違いだったのか、父親と母親の対応が真反対なゆえ
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冬の旅(1985年製作の映画)

3.9

何ひとつ装う気のない人間と対峙すると、人は己の真の欲望に気づいてしまうのかしら。ザ・自由のパワーに最初は魅せられるも、やがて彼女を放り投げてしまうのは、それがとうてい自分には手の届かないものであること>>続きを読む

ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえり お母さん~(2022年製作の映画)

5.0

前作を観ていない人のために、前半はそのダイジェスト版といった感じなのに、まだ元気だったころのお母さんが出てきただけで泣く。なんなら最初から最後まで泣く。

前作は信友一家の姿に、近い将来直面するであろ
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ベルファスト(2021年製作の映画)

3.7

惜しみなく与えられた愛情は、どこへ行こうとも足元に根ざす支えとなり続けるというのがこの作品の最大のテーマで、想像以上に温かみがある。そして想像してたのより一回りこじんまりに感じたのは、北アイルランド紛>>続きを読む

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