ブタブタ

11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たちのブタブタのレビュー・感想・評価

3.0
ポール・シュレイダー『mishima』の非現実感やファンタジーの世界は三島由紀夫と言う人の思い描いた夢の世界の映像化で、こちらは「現実の世界」の三島由紀夫だと思いました。

東大生とのディスカッション、市ヶ谷駐屯地バルコニーでの演説をたっぷりやってくれたのが『mishima』との違いでそこだけがこちらの方がよかった。

自分ははっきり言って現実の三島由紀夫先生に正直関心がないのですね。
作品よりもその生涯、それも他の作家(映像・文章)によって描かれた三島由紀夫のイメージが出来上がっていて、それは一部だけが非常に湾曲された思想的・政治的にもある種の異端者で全てが芝居が掛かってるフィクションの「三島」何ですね。

本作で唯一『mishima』を超えたファンタジーの部分は満島真之介演じる森田必勝のそのアイドル的なルックス、見るからに三島の御稚児さんとしての愛らしさ、最後の「殉死」迄をやってくれた事でしょうか。

これもまた三島に対する歪んだイメージなのですが寺島しのぶ演じる三島夫人がどうしても邪魔に感じるし要らない。

それと井浦新さん、ボディビルで鍛えた三島の肉体をよく再現していたと思うのですが胸毛がない!
三島といえば世界的写真家・篠山紀信氏による褌一丁で日本刀を持ったあの写真、やたらヌードになるのが好きな(?)三島のナルシシズムの部分もあんまりなかったのが残念でした。
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