ぶみ

アルゴのぶみのレビュー・感想・評価

アルゴ(2012年製作の映画)
4.0
1979年から1980年にかけて起きたイランアメリカ大使館人質事件においてアメリカCIAが実施した作戦を、ベン・アフレック監督、共同製作、主演により映像化したサスペンス。
大使館占拠によりカナダ大使公邸に匿われた大使館職員六人を救出するため、『アルゴ』という架空のSF映画を企画し、撮影スタッフとして出国させる作戦を描く。
久々の再鑑賞。
救出にあたるCIA工作員を監督でもあるアフレックが自ら演じているほか、CIAの上官をブライアン・クライストン、ニセ映画を作るためのスタッフをアラン・アーキン、ジョン・グッドマンといったベテラン人が演じ、脇を固めている。
まずは何よりの驚きはこれが実話ベースであること。
職員を救出するため、自転車での逃走や教師への偽装等々、様々なものがアイデアとして出された中で、ニセ映画を作るという荒唐無稽なものが採用され、ポスターや絵コンテを作成し、ロケハンをするために関係当局に許可を得る等、その徹底ぶりには目を見張るばかり。
特に、実際に計画を遂行する段となる後半のバレるかバレないかの瀬戸際を行く展開は一時も目が離せず、エンタテインメントとしても一級品の出来映え。
また時代背景から、実際にはイランでの撮影は叶わなかったようであるものの、ファッションやガジェット、クルマ等々により80年代を再現した雰囲気も見逃せないポイント。
実話ベースであるが故の決して軽くない背景を持ちながらも、緊迫感と軽妙さを両立させた脚本や演出により、脱出サスペンスとしても、伝記ものとしても楽しめる秀作。

よし、映画を撮ろう。
ぶみ

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