チッコーネ

エル・クランのチッコーネのレビュー・感想・評価

エル・クラン(2015年製作の映画)
3.0
『永遠に僕のもの』を先に観ていたのだが、アルモドヴァル兄弟プロデュースによる『アルゼンチン黒歴史もの』の第一弾は、こちらだった。

内容は事実ベースというのだから、慄くを通り越してほとほと呆れてしまう。
自国の製作者なら「恥だからもっと穏便に」と口を出しそうだが、アルモドヴァルは「もっと思い切りやっちゃえば」と言っていそうだ。

暴露ものは人の興味を惹くから、金になる。
本作にはポリティカルな意義もあるのだから、撮らない手はない。
ただ題材が前面に出ている分、強い個性は伝わってこないので、監督はやや損をしているかも(まぁヴェネチアで賞を獲ったのだから、結果オーライだが)。

しかしラストの飛び降り場面はどう撮って、どう編集しているのだろう…、すごかった。