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SHAME シェイムのeyeのネタバレレビュー・内容・結末

SHAME シェイム(2011年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

"SHAME" (2012)

セックス依存症に苦しむ男のストーリー

ニューヨークで完璧な生活を送る
ある種普通の男であるブランドン 

彼は仕事以外のときは
自己破壊的な性行動に耽っている

逃避や苦痛を即座に埋める手段は
セックスあるいは自慰しかない

欲望を満たしては
自己嫌悪や羞恥心が襲われていて

内向エネルギーに満ち溢れてる

職場の同僚であるマリアンヌと
良い雰囲気で結ばれそうになるが

結婚観や人生に対する姿勢
そのものが全く異なる

マリアンヌと食事後
別れる地下鉄に入る前に

"Shame live"

と書かれた女性の看板を前に
やりとりする2人に何とも言えない
妙な気分にさせられる

ブランドンはマリアンヌを誘うものの
セックスをすることができない

対してコールガールには行為ができる
複雑な心の模様を描き出している

一方で彼の妹である
シシーもまた恋愛依存症

リストカットを過去に何度も行なっている

シシーは感情的になりやすい反面
人に対して思いやりに溢れている

外向エネルギーに満ち溢れてる

そしてズバ抜けた
『ニューヨーク・ニューヨーク』
での歌唱力

聴いたらしんみりしてしまう
どころのレベルじゃない

しかし妹が現れたことによりブランドンの生活は一気に悪い方向へ変動していく

だけど兄妹が過去に何があったかは
描かれていないものの

過剰に依存し合う兄妹関係を映す

中には同じベッドに
入ってくるシーンも見られる

性的にくっつこうとする様子は
見られないものの行動自体は

"近親相姦"

を匂わせる

この映画は妹に対する秘めた

"恋愛感情"

を心の底に潜めてる

ブランドンは勝手に部屋に上がり込んできたシシーを愛する心を最初は見せている

しかし

上司であるデイヴィッドと
おそらく関係を持ったこと

秘めた自慰行為やAV鑑賞を見られたこと

それぞれの行動の蓄積にて
シシーへの"愛情"は"憎悪"に変わる

好きな人に心の底を見られたことから
反動で一切の性鑑賞物を捨て去る

憎悪は2人が話すシーンにぶちまけられる

環境を変えようとするブランドン
依存するシシー

兄妹は傷つけあい 悲しみあう

そんな中でリストカットが起こる
ブランドンは自責の念に駆られる

シシーが死ななかったことにより
更にまた歪んだ関係性は強固になりそうな
雰囲気をまとっている

ブランドンは過激な方向へ流れ続け

自己破壊的な行動は
ラストにはピークを迎える

上司であるデイヴィッドも
既婚者ながら女性を漁っている

彼に付き合うブランドンは
そんな姿を見ては嫌悪していたが

ラスト間際には
デイヴィッドの女性を漁る行動と
同一化してしまう

やがて性衝動は男性にも向かっていく

複数プレイを行なうブランドンの表情は
明らかに悲壮感に包まれている

電車内で見かける素敵な雰囲気を醸す
女性と今後進展しそうな目配せで
物語は終わる

彼はまだそこから抜け出せそうにない
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