ピッツア橋本

FRIED DRAGON FISHのピッツア橋本のレビュー・感想・評価

FRIED DRAGON FISH(1996年製作の映画)
4.4
“真っ赤な熱帯魚は淡い白昼夢を見る”

岩井俊二監督脚本の50分尺の90年代テレビ映画。ハードボイルドタッチだけどオシャレなオフビート感漂う。

とあるヤク中疑惑の外人研究者が保持していた幻の赤いドラゴンフィッシュを追いかける探偵と、その業務用PCのセールス兼営業メンテナンスに来てた若い女poo(芳本美代子)がタッグを組んで、その熱帯魚を追いかけ始める。アクアリウムショップへの聞き込み捜査中にpooはとある青年(浅野忠信)に出会い、心打ち解けるが彼の部屋に散見するドラゴンフィッシュから事態は急変していく…

若き浅野忠信の透明感が素晴らしい。
センシュアスで儚い、バナナフィッシュのアッシュを具現化したようなキャラクターに思えた。

各キャラクターの性格や美学がしっかり立っていて、ユーモアに走り過ぎず、シリアスに陥り過ぎない程良いバランスとダレない尺でこのストーリーを泳ぎ切れる。

PCの概念は今見るとどうしても違和感あるけど、
確かにWindows95が出る前のPCってこんな存在感だったかもと思い直す。

このインターネット前夜の映像作品は未来に夢を残しつつ、なんか退廃的なのがカッコ良いなあと感じてしまう。

タイトルのFRIEDってそういう意味!?と痛快な気持ちにもさせてくれた笑

グッドムービーでした。
ピッツア橋本

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