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バッファロー’66のnnmのネタバレレビュー・内容・結末

バッファロー’66(1998年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます


これってコメディでいいんですか?
人に勧められて鑑賞。予備知識ゼロでパッケージの雰囲気だけからシリアスなラブストーリーなんだろうな~と思っていたらいい意味で騙された。
ビリーが出所するシーンから始まって、トイレのオカマに怒鳴り散らしたり自分の都合でレイラを誘拐したり…こいつヤバイ奴なんじゃないかっていうのが第一印象。けどトイレを求めてさまよう姿がそれに全然似つかわしくなくてシュールさが溢れてた。
だんだん危ない奴っていうよりただ自分のことしか考えてないガキなだけなんじゃないかと思い始めて、序盤はビリーがあまり好きになれなかった。レイラもなんでこいつに大人しく付いていくんだってずっと不思議だった。
ビリーの実家で両親がどんな人か、どんな幼少期だったのかを垣間見て、ちょっとなるほどなと思った。親父はビリーにそっくりだ。ボーリング場で、ビリーを「キング」と呼ぶ店主と仲良さげに話してるのを見てこんな奴にも友達いるんだなと思った。トロフィーを掲げる幼いビリー、ストライクを決めまくってフォウフォウ言ってる今のビリー。やっぱりガキくさい野郎だなという印象。
デニーズってアメリカにあるんだ、というのが今作一番の驚きかもしれない。そんなデニーズで同級生と再会するビリー。レイラも言ってたような下品な女を元カノ(自称)、いい女と称すビリー。レイラと口論になって飛び出すも結局戻ってきて、ホテルに行くことになる。ていうかビリー走り方すごいダサい。レイラがビリーとやる気があることにびっくりした。
ホテルのシーンはよかった。微妙な距離を開けて座ったままウェンディのことを少しずつ話し出す。嫌がりながらも結局レイラと風呂に入る。ためらいがちにレイラと同じベッドに入る。ここは思わず笑ってしまった。レイラの胸に抱かれるビリーは本当に子どもみたいで、この二人はこういうことなんだなってやっとわかった気がした。
長年恨んできたスコットを殺しに奴のストリップ小屋に赴くも結局やめるとか言って帰ってくる。お前はそうだと思ってたよ。店に入る前と後で顔つきがまるで別人。
ホテルへ帰りがけにココアとハートのクッキーを買うビリー。息を切らしてやたらと晴れやかな顔をして、愛を知ったらこうなるんだろうか。ルンルンで店を飛び出すビリーに笑ってしまった。鑑賞後はハッピーな気持ちになれる。
自己中心的で子どもっぽくてプライドが高いくせにパッとしなくてダサい童貞男をいつのまにか好きになっていた。
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