TAK44マグナム

HATCHET/ハチェットのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

HATCHET/ハチェット(2006年製作の映画)
3.8
神様を呼んだら違うのキターーーッ!


「フローズン」のアダム・グリーン監督が80年代に量産されたスラッシャーホラーをリスペクトしすぎた結果、ありえない人体破壊描写に不謹慎にも笑っちゃうしかないという、超弩級のおバカ映画が完成してしまった!
ホラーというよりもコメディ色が強いです。だって、出てる人みんなバカばかりだし、アホな事しか言わないし。
ついでに音楽も、ちっとも怖くない。
吹き替えで観たからかもしれないけれど演技も大袈裟でテキトー(苦笑)。
一応、主人公役の人は「アバター」にも出てましたね。
あと、ビル・マーレイの弟さんが無理矢理に「エクソシスト」の物真似やらされて首がもげてましたよ(汗)

ちょい役で、ロバート・イングランドやトニー・トッドが顔を見せてくれていたり、不死身の殺人鬼役がケイン・ホッダー(←ジェイソン!)だったりと、監督の趣味まるだしみたいな特別出演が微笑ましいです。


ストーリーなんて語るほどのものは無いので、ただひたすらにお馬鹿さんたちがグチャグチャにされるのを見るだけ!
変態やオッパイ星人やジジババがワーワーキャーキャー叫んでいるうちにどんどん殺人鬼ヴィクターにとっ捕まって、無惨にもぶち殺されてゆくだけの90分!
ヴィクターが本格的に登場するまでの前半がメチャつまらないので死にそうになりましたが、殺人ショータイムが始まると俄然ヒートアップ!
悪ガキたちに火だるまにされた上に事故で父親にとどめを刺されたヴィクターの可哀想な出自は「また「バーニング」かよ!」と、あまりの芸のなさに軽く絶望しかけましたけれど、ラストなんて「13日の金曜日」
のそれをアレンジしていて、オチは事前に読めちゃったものの決して悪くはないクロージングだったような気がします。
ブラックアウトするタイミングもバッチリ!

まあ、そんな学芸会は放っておいて、注目すべきは何はなくともグロリンチョですよ!
たぶん、製作陣もそこしか力いれてないでしょ・・・というのも明白。
ヴィクターが「グオオ〜〜!」と現れては、半端ない怪力無双なヤツなので、タイトルになっているハチェット(手斧)なんぞに頼らなくても(というか、むしろあんまり使わない)素手で内臓を掴み取ったり、口を上下からガバーッ!と引き裂いたり(←殿堂入りにしたいぐらいの無茶ぶりに拍手!カメラワークも凝ってます)、両腕をもいだり、電ノコで顔面をズリズリしたり、まるで子供がおもちゃの人形をバラバラにして遊ぶかのごとく、えげつない人体破壊絵巻が繰り広げられるのです!
もはや出し惜しみなし!血祭り純度100%!

「天空の城ラピュタ」じゃないけれど、人がまるでゴミのよう!
バリエーション豊かな殺人技カタログ映画として記憶にとどめておきたいワイルドな佳作DEATH!


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